農民一揆について

1.一揆とは何か

一揆(いっき)とは農民の暴動のように思われているようですが、それは違います。そもそも「()」とは「ぶんまわし」です。つまり、円を描くコンパスのことです。私たちの宇宙は太陽を中心に円を描いて運行します。それは狂うことのない法則に基づいています。その宇宙の法則と一つになって生きること、それが一揆なのです。

2.傘連判状の意味

農民一揆では、農民が(から)(かさ)のように円条に連判状(れんぱんじょう)を書きます。従来、これは首謀者を隠すためだと言われてきました。しかし、それは違います。首謀者はもはや死を覚悟していますので、今さら隠す必要はありません。円状にするのは、宇宙の法則である「天道」に従うためです。つまり、首謀者は「お天道(てんとう)さま」なのです。

3.一揆とは哲学です

お獅子様が「御世(みよ)の乱れしその時に、非道(ひどう)の力に屈せずに、弱きものを(いつく)しみ憲を守りて一揆なら、天道(おの)ずと加護となる。神通力(じんつうりき)由縁(ゆえん)なり」と言われます。春に種を()くなら秋には大きな実りが得られるように、宇宙の法則に従って節度をもって生きるなら大きな神の力が得られます。非道な権力者に(あらが)うのもそのためなのです。つまり一揆とは哲学なのです。

4.こころざしとは何か

安積清右衛門様が「血のつながりは薄くとも、時を超えてめぐり合う、(こころざし)こそ尊けれ」と言われるように、志とは一揆の精神であり、正義の心です。何時(いつ)でもどこでも、私たちは天道様である太陽を(あお)げるように、正義の心は時代と場所を超えて通じ合うものです。21世紀の今日、狭い国家の(わく)を超え、人類が一つになって新型コロナを克服する(かぎ)がここにあります。

( 寺田誠知 )